文化オリンピアードナイト実行委員会より:「東京2020参画プログラム 文化オリンピアードナイト」開催レポート

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東京2020参画プログラム

UPDATE : 2017.12.28

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2017年11月26日(日)、東京・丸ノ内の行幸通りに設けた特設会場で、演出家の宮本亜門さんの企画・構成による「東京2020参画プログラム 文化オリンピアードナイト」が開催されました。このイベントは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催1000日前にあたる期間に実施された「1000 Days to Go!」キャンペーンの一環として行われたものです。歌舞伎俳優の市川海老蔵さんら識者を招いてのトークセッション「Tokyo2020 DIALOGUE」と、東京ニューシティ管弦楽団によるオーケストラに多数のゲストが参加した「Tokyo2020 ALL JAPAN CONCERT」の様子をお届けします。


「『文化オリンピアード』へようこそ! 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催までいよいよ1000日を切りました。オリンピック・パラリンピックはスポーツだけでなく、文化の祭典でもあります。今後、2020年の開催に向けて、全国各地でたくさんの文化プログラムが実施されることになります。今日開催するのは、東京の中心地・東京駅舎前の行幸通りで、文化オリンピアードを盛り上げるための一夜限りの特別な文化イベントです。この歴史的なイベントに会場のみなさんと一緒に参加できることを光栄に思います」

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司会を務めたタレントのSHELLYさんのこんなあいさつでイベントがスタート。そして宮本亜門さんにバトンタッチして、第1部のトークセッション「Tokyo2020 DIALOGUE」が行われました。

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テーマは、「日本の誇る文化・芸術を世界にどう発信していくか?」。この大きな問いを語り合ったのは、歌舞伎俳優の市川海老蔵さん、クリエイティブディレクターの澤邊芳明さん、女優の草刈民代さん。

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まずはモデレータを務めた宮本亜門さんの「日本ならではの面白さを世界の人々につなげるには、これから具体的に何ができるのか?」という問いに対し、市川さんが口火を切りました。

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「歌舞伎俳優としての立場からお話すると、日本の文化・伝統と言った場合、芸能や芸術だけでなく食も生活習慣もすべてがそれにあたると思うんです。それを届けられるようにするには、まず日本人の私たちが日本の良さを認識していくことが大切です。自分たちではなかなか気付きませんが、たとえば時間に対する規則正しさは世界に類を見ません。また、細やかなおもてなしもそうですよね。オリンピック・パラリンピック開催に向けて、何が日本文化の魅力なのかを一人ひとりが認識して、さらに磨きをかけていければいいと感じています」

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リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックのフラッグハンドオーバーセレモニーでコンセプトアドバイザーを務めた澤邊さんは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では「多様性」がキーワードになると語りました。

「『多様性』という言葉は、さまざまな性質を持った人がバラけて存在している状態だと理解されることが多いと思います。でも、日本文化は、異質なものに対して線引きをせず、混ぜ合わせて取り込んできました。その多質性が混じり合う様(さま)が『多様性』なのだと思います。日本はテクノロジーの国でもありますから、VR技術が進化して現実と仮想空間の境界があいまいになり、自動翻訳が浸透すれば言葉の壁もあいまいになり、競技においてもパラリンピック選手がオリンピアンの記録を抜くということが起こるでしょう。従来の概念が変わっていく中で、新しいおもてなしができればいいと思います」

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最後は東京2020組織委員会顧問でもある草刈さんの言葉で、濃密なトークセッションが締めくくられました。

「おもてなしということで言えば、相手のことを知らなければいいおもてなしはできません。オリンピック・パラリンピックには、選手も観客もさまざまな人が参加します。訪れたみなさんから話を聞いて初めて気づくことも多いでしょう。選手が限界に挑戦する姿を見て感動をもらえる素晴らしい機会ですから、観る側も心を開くことで、個人にとっても日本にとっても大きな発見があると思います。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、見逃していたことに気づき、みんなでどう一緒に生きていくかを考える、いいきっかけになるはずです」

続いて、第2部「Tokyo2020 ALL JAPAN CONCERT」の様子をどうぞ